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【ニキビ発生の仕組みとは?】まずはニキビ発生のプロセスをご説明しましょう

私のクリニックには、さまざまな年代のニキビの患者さんがやって来られます。
思春期の方はもちろん、30代で初めてニキビを発症した方、男性も少なくありません。皆さんニキビが出来るエリアや、背後にある要因は違いますが、医学的に見れば“肌の上でニキビが出来るプロセス”は同じです。その仕組みをご説明しましょう。

ニキビの発生過程

1.皮脂腺が活性化し、皮脂が過剰に分泌する

毛穴の1つ1つには、“皮脂腺”という皮脂を生み出す組織が存在します。ホルモンの影響等で皮脂腺が活性化すると、皮脂を過剰に分泌します。

2.毛穴の出口が詰まり、内部に皮脂が充満する

通常、皮脂は毛穴から外に出て肌表面を潤します。しかし毛穴の出口が詰まると皮脂が内部に充満し、ポコッとふくらんで見えます。この状態が“白ニキビ”です。

3.毛穴の入り口で汚れと混ざり合う

皮脂の過剰な分泌によって皮膚が下から押し上げられると、毛穴の出口付近で古い角質や汚れと混ざり合い、黒く見えることがあります。この状態が“黒ニキビ”です。

4.皮脂を養分にしてアクネ菌が繁殖!

毛穴に蓄積した皮脂を養分にして、アクネ菌が繁殖します。すると肌の免疫細胞が働いてアクネ菌を攻撃し、炎症が発生します。この状態が“赤ニキビ”です。

5.炎症が悪化すると化膿することも

炎症が悪化すると、アクネ菌や免疫細胞の死骸が膿として毛穴に蓄積します。化膿が広がると、毛穴の組織自体が破壊され、周囲に炎症が広がる場合もあります。

6.毛穴から膿が排出されて鎮静へ

毛穴の出口が開いて膿や炎症物質が排出されると、炎症は鎮静に向かいます。やがてターンオーバーにより新しい皮膚が生まれ、元の状態に修復されます。

以上がニキビ発生から鎮静までのプロセスです。このように本来は自然に治癒する
はずのニキビですが、実際にはなかなかそうはいきません。続きを読む...