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各パーツのお悩み シワ編 気になる2大悩みを何とかしたい!「シワ」編

本格的なたるみを自覚するのは、40代以降のことが多いと思います。
しかしその予兆は30代後半から現れはじめるといえるでしょう。
乾燥、真皮の弾力低下、筋肉の衰えなど、あらゆる要因が複合して生じる“たるみ”。
なかなか解消が難しいお悩みなだけに、“予防”が何よりも大切です。

スキンケアの選び方&塗り方

目周りの皮膚の弾力が低下すると、脂肪が目の下(涙袋といわれる部分)に蓄積しやすくなります。目元に“クマ”のような影を落とし、疲れた印象を際立たせてしまうはず。初期のたるみに対しては、目のキワまでしっかり保湿することを心がけましょう。またPCや携帯の画面を長時間見つめるなど、目を酷使する生活習慣を見直したいものです。

頬全体の弾力が低下すると、まずチークトップ(頬の一番高い位置)が下垂してきます。この皮膚が口元に寄ることで、深い“ほうれい線”が目立ちやすくなります。また頬の位置が下がること自体、“老けた印象に見られやすい”要因と言われています。毎日のスキンケアにマッサージを取り入れ、血流を促すことでハリ感維持を心がけましょう。フェイササイズで表情筋を鍛えるのも有効です。

フェイスラインのたるみ

下垂した皮膚は最終的にフェイスラインに集中し、顔全体にゆるんだ印象をもたらしてしまいます。俗に言う“ブルドッグフェイス”ですね。横から見た時に、あごと首のラインが不明瞭になるケースもあります。頬のたるみと同じくマッサージで血流を促したり、表情筋を鍛えることを心がけましょう。選択枝の1つとして、クリニックでの光治療等も存在します。

どんな風にケアしたら良いのでしょう?

スキンケアの選び方

たるみは、あらゆる肌老化の要因が複合的に重なって発生するため、化粧品の力だけではなかなか根本的な解決が難しい肌悩みといえます。しかし、諦めて何もしないでいると、肌老化は進行するばかり。肌細胞は毎日生まれ変わるものですから、日々のお手入れで肌本来のハリ感をサポートしてあげて下さい。

肌の弾力感を呼び覚ますためには、真皮層のコラーゲン生成を促すことが大切です。そのためにはビタミンCを配合した化粧品が頼もしい味方となってくれるでしょう。ビタミンCはコラーゲン分解の要因となる活性酸素を除去し、また線維芽細胞を活性化して新しいコラーゲンを生み出す力をサポートします。ビタミンCの効果についてはニキビの項目で詳しく解説していますので、ぜひご参照下さい

また、肌の生まれ変わりを促すためには、マッサージによって血流を促すことも有効です。普段のお手入れにマッサージを加えるとなると、面倒に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、次の項目では、簡単に実践できる方法をご紹介したいと思います。

“マッサージ塗り”を習慣に

あなたは乳液やクリームなどを使用するときに、どんな風になじませているでしょうか?「特に気にせずパパッと済ませる」という方が多いのではと思います。
スキンケアは毎日行うことですから、何となく済ませずに“マッサージ”を取り入れて塗ってみましょう。筋肉や血管の流れを意識して、普段使いの乳液やクリームをぬるわけですね。これなら特別にマッサージクリームを用意する必要がありませんし、スキンケアのついでに行えます。血流促進作用によって、肌の生まれ変わりを促す効果も期待できるでしょう。簡単なマッサージの仕方は、ぜひこちらをご参照下さい

光治療や外科手術など、その他にも色々な改善法が

美容専門のクリニックにおいては、様々なたるみに対する施術が存在します。
たとえばたるんだ皮膚を除去し、皮膚をピン!と張る外科的な手術などがそうですね。たるみの改善には一定の効果を発揮しますが、施術後の顔にうっ血が残るなど、ダウンタイムと呼ばれる期間が存在します。痛みが伴う場合もありますし、費用もクリニックによってまちまちです。
メスを使わない施術としては、サーマクール等の光治療があげられます。これは高周波などの温熱作用によって真皮組織に熱ダメージを与え、コラーゲンの生成を促して内側からふっくらと持ち上げる方法です。光治療は日進月歩で進化しており、痛みやダウンタイムがない施術も存在します。いずれも自費診療のため、費用はクリニックによってまちまちです。

私のクリニックはこれらの施術や、シワの項目でご紹介した注入法は実践していませんが、今回は選択肢の1つとしてご紹介しました。いずれの施術も、効果が高いと思われる施術ほどダウンタイムや痛みを伴う場合があること。さらに費用も高額になる場合があること。これらのリスクについてもぜひ、心に留めて頂きたいと思います。

美容クリニックでの施術も含めると、現代女性にはシワやたるみに対して
色々な選択肢が存在します。私個人としては、内科医的な見地から、
まずは普段の生活スタイルを見直すこと。そして体全体から老化を予防することが
一番大切であると考えています。次の項目では、普段の生活に取り入られる
アンチエイジング方法をご紹介したいと思います。

>>エイジングサインへの対策は“予防”が何よりも大切です