TOP > 内科医が語る“肌のハナシ” >ニキビ編【ニキビ発生の”直接的な原因”とは?】

【ニキビ発生の“直接的な原因”とは?】ニキビの原因は諸説ありますが、“乾燥”と“ホルモンバランス”が大きなカギを握っています

ニキビを誘発する原因については、いろいろな説があります。
ストレスや紫外線、酸化ダメージ等も原因の1つと言われていますが、私が患者さんと接した経験では、“直接的な原因”は大きく2つに分かれるように思います。

1 脂性乾燥肌

実は乾燥もニキビの原因!?

ニキビなのに“乾燥”というと、意外に思われるかもしれません。
そもそも顔は常に露出している部位ですから、皮脂膜で保護するために、他の部位に比べて皮脂腺が多く存在します。
実際乾燥にさらされると、“肌を守らねば”と皮脂腺が刺激され、皮脂の分泌が増加する傾向にあるといわれています。
また乾燥は、肌のターンオーバーに悪影響を及ぼす面も見逃せません。古い角質が肌表面に居座って、肌表面が硬くなり、毛穴を詰まらせる要因となるのです。

一見オイリーでも要注意!

ニキビの患者さんは基本的に皮脂の分泌が過剰なため、肌表面は一見テカテカしています。しかし実際は、角層“内部”の水分が足りていないケースが多いんです。
「オイリー肌だから」と何度も洗顔を繰り返したり、日常の保湿ケアを怠ると、ますます乾燥に拍車がかかり、結果ニキビも治りにくくなります。
私は患者さんを診察する際、必ず“背中”や“すね”の状態も拝見するように心がけています。粉が吹くほど乾燥している方は、“脂性乾燥肌”によるニキビの可能性が高いといえるでしょう。

ドクターのCheckポイント

  • 背中やすねがカサカサ乾燥している
  • Tゾーンや頬にニキビが目立つ
  • 肌表面が硬く、ごわつきを感じる

2 ホルモンバランスの影響

思春期や生理周期で発生するニキビ

体温や睡眠のリズムなど、私たちの体はホルモンのバランスによってコントロールされています。もちろん皮脂腺も例外ではありません。
女性の方が生理前にニキビが出来やすいのは“黄体ホルモン”、男性にオイリー肌の方が多いのは“男性ホルモン”の影響といわれています。この2つのホルモンは、ともに皮脂腺の活性化を促すとされています。
体内のホルモンバランスがダイナミックに変化する第二次性徴期は、男女ともにニキビが発生しやすい時期ですね。また女性の方は、妊娠・出産を期に一時的にニキビが発生するケースもあります。

大人ニキビはホルモンバランスの乱れ?

最近成人後、なかには30代以降で初めてニキビに悩む方も増えていますね。このタイプのニキビは、あごのエリアに集中しやすいのが特徴です。
一説には、あご周囲の皮脂腺は男性ホルモン(アンドロゲン)への感受性が高いといわれています。男女ともに仕事等でストレスにさらされると、体はそれに対抗するために男性ホルモンが優位となり、結果あご周囲のニキビを誘発するのではという説です。しかし、実際のところはまだ良く分かっていません。
患者さんと接した経験上、個人的にストレスとホルモンのバランスには密接な関係があり、それがニキビの一要因であることは間違いないように思います。

このタイプのニキビ患者さんと接する際、私は必ず普段の生活リズムについてお聞きします。女性の場合は、生理周期についてもお尋ねします。そこにニキビの原因がひそんでいる場合、婦人科系やストレスケアも含めた改善策が必要です。

ドクターのCheckポイント

  • 第二次性徴期で成人の体へと変化中
  • あごのエリアにニキビが集中しやすい
  • 女性の場合、生理周期が乱れがち

次の項目ではいよいよ出来てしまったニキビの対処法について、ご紹介したいと思います。→Click!